【用語解説】前受収益
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読み方:まえうけしゅうえき
前受収益とは、すでにサービスを提供しているが、その対価(収益)がまだ入金されていない状態の収益のうち、次期以降に属するものを当期に受け取っている場合に計上する勘定科目です。会計上のルールである発生主義に基づいて、収益の発生時期と現金の受領時期が異なる場合に調整のために用いられます。例えば、保険料や家賃などを年払いなどで先に受け取っている場合、そのうち次期に属する部分が前受収益となります。
これは「期間」に対するサービス提供の対価であり、役務提供がまだ完了していないため、将来のサービス提供義務を伴う「負債」として貸借対照表に計上されます。前受金と混同されやすいですが、前受金が「商品やサービスの提供前に受け取った代金」であるのに対し、前受収益は「継続的なサービス提供における、まだ提供していない部分の対価を先に受け取ったもの」という点で異なります。
資金調達の観点からは、前受金と同様に、本来後から入るはずの現金が前倒しで入ってくることで、企業のキャッシュフローを改善し、運転資金として利用できるメリットがあります。これにより、企業の資金繰りが安定し、資金調達の必要性を軽減する効果が期待できます。