【用語解説】二重譲渡
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読み方:にじゅうじょうと
二重譲渡とは、同じ債権や不動産などの資産を、複数の相手に対して重複して譲渡することを指します。資金調達の文脈では、特に売掛金(債権)を担保とした融資や、ファクタリング取引において問題となることがあります。例えば、企業が同じ売掛金を異なる金融機関やファクタリング会社にそれぞれ譲渡し、二重に資金を調達しようとする行為が該当します。
二重譲渡は、法的な問題(詐欺罪など)や倫理的な問題を引き起こすだけでなく、資金提供者(債権者)にとっては、債権の回収リスクを極めて高くする行為です。譲渡された債権が二重に存在する場合、どの債権が優先的に弁済されるかによって、資金提供者の回収可能性が大きく左右されます。これを防ぐため、債権譲渡の際には、第三者対抗要件(登記や確定日付のある通知など)を具備し、債権の帰属を明確にすることが重要です。
企業が資金調達を行う際には、透明性と誠実さが不可欠であり、二重譲渡のような不正行為は企業の信用を著しく損ない、事業の継続を困難にする結果を招きます。