【用語解説】内部留保
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読み方:ないぶりゅうほ
内部留保とは、企業が事業活動で得た利益のうち、配当として株主に分配せず、社内に蓄積しておく資金(利益剰余金) のことです。これは、企業の自己資本の一部を形成し、貸借対照表の純資産の部に計上されます。単に現金を溜め込んでいるという意味ではなく、この資金は企業の設備投資、研究開発、M&A、借入金の返済、運転資金の補填など、様々な用途に充てられます。
内部留保の主なメリットは、返済義務や金利負担がなく、経営の自由度が高い資金である点です。外部からの資金調達に頼ることなく、自社の判断で機動的に事業投資を行えるため、企業の競争力強化や持続的な成長に不可欠な基盤となります。また、内部留保が厚い企業は、財務基盤が強固であると評価され、外部からの信用力も向上します。これにより、必要な場合には金融機関からの融資も受けやすくなるという好循環が生まれます。しかし、過度な内部留保は、株主への還元が不十分であるとして批判の対象となることもあります。