【用語解説】前受金
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読み方:まえうけきん
前受金とは、企業が商品やサービスを提供する前に、顧客から代金の一部または全部を事前に受け取った際に計上する勘定科目です。まだ商品やサービスを提供していないため、この時点で売上としては計上されず、将来的に商品やサービスの提供という義務を負う「負債」として貸借対照表に計上されます。
例えば、建設業における工事着手金、ソフトウェア開発における開発費の前払い、旅行会社における旅行代金の一部前払い、定期購読サービスの会費などが前受金に該当します。
前受金として資金を受け取ることは、企業にとって以下のような資金調達効果があります。
運転資金の確保: 売上代金を早期に回収できるため、仕入れや経費の支払いに充てる運転資金を確保できます。
キャッシュフローの改善: サービス提供よりも先に現金が入るため、資金繰りが安定しやすくなります。
金融機関からの評価: 手元資金が増えることで、金融機関からの信用度が向上し、他の資金調達にも有利に働く場合があります。
ただし、前受金はあくまでも将来提供する商品やサービスに対する義務を伴う資金であるため、その後の契約履行が確実に行われるよう、適切な管理が求められます。