【用語解説】前払金

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読み方:まえばらいきん

前払金とは、企業が商品やサービスの提供を受ける前に、その代金の一部または全部を事前に支払った際に計上する勘定科目です。まだ商品やサービスを受け取っていないため、費用としては計上されず、将来的に商品やサービスの提供を受ける「権利」として「資産」の部に計上されます。
例えば、原材料の仕入れにおける内金、機械設備の発注に伴う手付金、不動産の購入契約時の手付金などが前払金に該当します。

前払金は、企業から現金が流出する取引であり、一時的に資金が減少します。そのため、資金繰りの計画を立てる際には、前払金の発生を考慮に入れる必要があります。特に多額の前払金が発生する場合、企業の運転資金を圧迫する可能性があるため、慎重な資金管理が求められます。

資金調達の観点からは、前払金は企業のキャッシュアウトを伴うため、直接的な資金調達効果はありません。むしろ、企業の資金繰りを悪化させる要因となる可能性があります。ただし、サプライヤーとの良好な関係構築や、商品の確保、有利な取引条件の獲得といった目的のために戦略的に行われることもあります。

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