【用語解説】劣後ローン

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読み方:れつごろーん

劣後ローンとは、企業が倒産または清算する際に、他の債権者(銀行などの一般的な貸付債権者)への返済が全て完了した後でなければ、元本や利息の返済を受けられないという、返済順位が「劣後する」特徴を持つローンです。通常の借入金とは異なり、株式(自己資本)に近い性質を持つことから、メザニンファイナンスの一種とされます。
劣後ローンの主な特徴は以下の通りです。

・自己資本の増強効果: 会計上は負債として計上されますが、返済順位が低いため、金融機関の融資審査においては実質的に自己資本と同様に評価されることがあります。これにより、企業の財務体質が強化されたとみなされ、新たな融資を受けやすくなる場合があります。
・金利の高さ: 返済リスクが高いため、通常の融資よりも金利が高めに設定されます。
・株式の希薄化なし: 株式発行を伴わないため、既存株主の持株比率が希薄化することはありません。
・資金使途の柔軟性: 運転資金、設備投資、M&Aなど、幅広い資金使途に利用可能です。

劣後ローンは、企業の財務健全性を向上させつつ、株式の希薄化を避けたい成長企業や、自己資本比率の改善を図りたい企業にとって有効な資金調達手段となります。

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