【用語解説】労働分配率

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読み方:ろうどうぶんぱいりつ

労働分配率とは、企業が生み出した付加価値(粗利益)のうち、どれだけの割合が人件費(給与、賞与、法定福利費など)として従業員に分配されたかを示す指標です。企業の収益が、どれだけ従業員に還元されているかを示すとともに、企業の生産性や収益構造を分析する上で重要な経営指標となります。

計算式は以下の通りです。

ここでいう「付加価値額」は、一般的に売上高から外部購入費用(仕入原価など)を差し引いた粗利益に近い概念です。労働分配率が高すぎる場合、人件費が企業の収益を圧迫している可能性があり、企業の利益率や資金繰りに悪影響を与えることがあります。逆に低すぎる場合は、従業員への還元が不十分であると見なされることもあります。

資金調達の観点からは、労働分配率の適正な水準は、企業の利益創出能力や財務の安定性を示す指標の一つとなります。高すぎる労働分配率は、将来的な利益確保や内部留保の積み増しを困難にし、金融機関からの融資審査において不利に働く可能性も考えられます。企業の持続的な成長のためには、労働分配率と利益のバランスを適切に保つことが重要です。

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