【用語解説】引出金

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読み方:ひきだしきん

引出金とは、主に個人事業主が、事業用の口座から、生活費などの個人的な目的のために資金を引き出した際に使用する会計科目です。法人会計には存在せず、個人事業の会計で用いられます。個人事業主の場合、事業主の財布と事業の財布が厳密に分かれていないことが多いため、事業の現金が私的に使われた場合に、その金額を明確にするためにこの勘定科目が使われます。

引出金は、事業の費用でもなければ、事業主への給与でもありません。貸借対照表では、期末に事業主貸勘定として処理され、最終的には元入金(事業主の自己資金)から差し引かれる形で処理されます。これにより、事業の資金と事業主個人の資金の区別を明確にし、事業の収益性を正確に把握することができます。

資金調達の観点からは、個人事業主が引出金を過度に行うと、事業の資金繰りを悪化させる原因となります。事業の成長や安定のためには、適切な資金管理を行い、可能な限り事業の資金を事業のために留保することが重要です。金融機関からの融資審査においても、引出金の多寡は事業の健全性を判断する材料の一つとなり得ます。

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