【用語解説】特定目的会社
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読み方:とくていもくてきかいしゃ
特定目的会社 (SPC:Special Purpose Company) とは、特定の資産の保有や、特定の事業のみを行うことを目的として設立される法人です。多くの場合、資産流動化や証券化のスキームにおいて利用されます。SPCは、通常、実体のないペーパーカンパニーであり、その活動は定款や契約によって厳しく制限されます。
資金調達の文脈では、以下のようなスキームで利用されます。
・企業(原資産保有者)が、保有する不動産や債権(住宅ローン債権、売掛金など)をSPCに譲渡する。
・SPCは、譲り受けた資産を担保として、あるいはその資産から生じるキャッシュフローを原資として、社債や証券(ABSなど)を発行し、投資家から資金を調達する。
・調達した資金を原資産保有者に支払い、原資産保有者はこれにより資金を得る。
このスキームを利用することで、原資産保有者は、自己のバランスシートから負債や資産を切り離す「オフバランス化」が可能となり、財務体質を改善したり、新たな資金調達枠を創出したりできます。SPCは、原資産保有者本体の信用リスクから隔離される(倒産隔離)ため、投資家にとってリスクが軽減され、より有利な条件での資金調達に繋がることがあります。